CopilotエージェントでExcel実践
「毎月の売上集計に3時間かかっていたのが30分になりました」——先日、私のセミナーに参加してくださった製造業の経営者さんから、こんな報告をいただきました。使ったのはExcelのCopilot。特別なITスキルはゼロ。日本語で話しかけるだけです。
2026年4月22日、Microsoftが大きな発表をしました。Word・Excel・PowerPointにおけるCopilotの「エージェント機能」が、正式に一般提供開始(GA)となったのです。これは単なるアップデートではありません。ExcelのCopilotが「提案するだけの助手」から「自分で動く部下」へと本格進化した瞬間です。
ExcelのCopilotって、結局むずかしい関数を覚えてないと使えないんじゃないですか?うち、VLOOKUPすら毎回調べてる状態で…。
それが逆やねん。関数を知らん人ほどラクになるんやで。「購入金額が5万円以上のお客さんだけ抜き出して、多い順に並べて」って日本語で打つだけ。関数の名前なんか一個も要らんのよ。
えっ、でもエージェント機能とか大企業向けですよね?うちみたいな小さい会社には関係ない気がして…。
むしろ中小企業こそ使い時やで。個人プランやと月千五百円くらいから始められるんやから。毎月の売上集計に三時間かけてる人が、三十分で終わるようになったんよ。大層なシステムなんか要らんねん。
三時間が三十分ですか…。でも、ちゃんと使いこなせるか不安で、なかなか最初の一歩が踏み出せなくて。
完璧に揃えてから、なんて思わんでええよ。今あるデータでとりあえず「この中で平均から大きく外れてる数値教えて」って一行打ってみ。やってみたら「なんやこんな簡単やったんか」ってなるから。空いた時間で、あんたの本当にやりたい仕事ができるようになるんやで。
「提案するだけ」から「自分で動く」へ——エージェント機能で何が変わったのか
これまでのCopilotは、どちらかといえば「コンサルタント」に近い存在でした。「このデータを分析するにはこういう方法があります」と教えてくれるけれど、実際の作業はあなたがやらなければいけない。そんな状態です。
今回のエージェント機能で何が変わったか。一言でいうと、「複数ステップの作業を、Copilotが自分で実行できるようになった」ということです。例えば、こんな指示を一度に入力するだけで動きます。
「先月の売上データをもとに、地域別・商品別のピボットテーブルを作って、前月比を計算して、売上が前月より下がっている項目を赤でハイライトして」
以前なら、ピボットテーブルを手動で設定し、関数を書いて、条件付き書式を設定して……という複数のステップが必要でした。それをCopilotが順番に、自律的に実行してくれるのです。Microsoftの公式発表では、早期利用者のエンゲージメント・満足度ともに大幅な改善が確認されています。
利用できるプランはMicrosoft 365 CopilotおよびPremiumサブスクリプションでデフォルト提供されるほか、Microsoft 365 PersonalおよびFamilyプランのユーザーも利用できます(個人プランは月額約1,490円〜)。2026年現在、日本語での入力・出力に完全対応しています。
起動はボタンひとつ、指示は日本語で
- Excelを開き、データをテーブル形式で準備する
- ホームタブのリボンにある「Copilot」ボタンをクリック
- 画面右側のチャットパネルに、やりたいことを日本語で入力する
- Copilotの提案が出たら「適用」ボタンを押す
VBAもマクロも、複雑な関数も一切不要です。「このデータの傾向を教えて」と入力するだけで、AIがデータを読み解いて文章で説明してくれます。「難しそう」という感覚は、触ってみたら一瞬で消えるはずです。
中小企業が今日から使える実践活用法3つ
① 月次レポートを5〜10分で仕上げる
私自身、毎月の売上データをCopilotに投げて分析させることを習慣にしています。使っているプロンプト(指示文)はシンプルです。「このデータで月別の売上推移を折れ線グラフにしてください。前月比の変化も計算して表示してください。売上が前月より10%以上下がっている月は赤でハイライトしてください」——これだけです。
グラフ作成・計算・条件付き書式の設定が一度に完了します。以前なら1時間以上かかっていた作業が、5〜10分で終わります。「これ、本当に楽になった」と実感できる使い方です。
② 関数を知らなくてもデータ抽出できる
「VLOOKUPがわからない」「SUMIF関数の書き方を毎回調べてしまう」という方は多いと思います。Copilotがあればその悩みは解消します。「顧客リストから購入金額が5万円以上の顧客だけを抽出して、金額の多い順に並べ替えて」と入力するだけで、フィルタリングとソートを自動で実行してくれます。
関数名を覚える必要はありません。まるでExcelの専門家が隣に座っているようなもの。これは正直、すごいと思います。
③ 異常値・外れ値を瞬時に発見する
製造業や小売業のお客様に特に喜ばれる使い方です。先日、小売業を営む経営者さんが「棚卸しデータをCopilotに投げたら、過去3ヶ月間で売上がゼロの商品を数十秒で洗い出してくれた。今まで手作業で何時間もかけていた作業だ」とおっしゃっていました。
「このデータの中で、平均から大きく外れている数値を教えて」と入力するだけで、Copilotが外れ値を特定して理由まで説明してくれます。以前なら統計の知識が必要だった分析が、自然言語一行で依頼できるのです。あなたの会社でも、毎月なんとなく時間がかかっているExcel作業があれば、まずそこにCopilotを当ててみてください。
集計から解放された先に、本当の仕事がある
ここで、私が一番伝えたいことをお話しします。Excel作業の自動化は、「効率が上がって便利になる」だけの話ではありません。
毎月の集計に3時間かかっていたとして、それが30分になったとき、残りの2時間30分で何をしますか?
ここが本質だと私は思っています。面倒な集計作業は、おそらくあなたが一番やりたくなかった作業のはずです。Copilotがその雑務を引き受けてくれることで、あなたが本当に得意なこと——顧客との対話、商品の企画、現場の改善——に時間を使えるようになる。
「AIに仕事を奪われる」という話をよく耳にします。でも私の見方はまったく逆で、「AIが雑務を引き受けてくれる」のです。つむぎやのセミナーを受けてExcel作業を自動化した方の中には、空き時間を使って新しい顧客提案を毎週作るようになった方も、念願だった新商品企画を動かし始めた方もいます。累計3,400名以上の方々と向き合ってきた経験から、これは断言できます。面倒な作業から解放された先に、あなたの本当の価値があります。
ちなみに、こう問いかけてみてください。「集計作業がなくなったら、私は何に時間を使いたいだろう?」その答えが、あなたの「好きと得意」であり、本来の仕事の核心です。
つむぎやでは、法人向けAI活用カリキュラムでCopilotの実践的な使い方を体系的にお伝えしています。Excelだけでなく、WordやTeamsとの連携も含めて、現場ですぐ使える形でお届けしています。
ExcelのCopilotエージェント機能は2026年4月から正式提供開始となり、複数ステップの作業を自律実行できるようになりました。月次レポートの自動化、関数不要のデータ抽出、外れ値の自動発見——これらはすべて今日から試せます。最初の一歩を踏み出せば、「なんだ、こんなに簡単だったのか」と必ず思います。ぜひ今日、一度だけCopilotに話しかけてみてください。
AI導入についてのご相談はつむぎや株式会社までお気軽にどうぞ。