介護記録AI、45分が5分になる理由

AI導入事例

介護記録AIとは、音声入力や生成AIを使って、日々のケア記録や書類作成にかかる時間を短縮する仕組みです。「今日も記録に追われて定時後まで残ってしまった」——そんな介護事業所の経営者や管理者、サービス提供責任者に向けて、この記事では2026年8月に発表された最新事例をもとに、記録・書類作成の負担をAIでどこまで減らせるかを整理します。

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介護現場で今、何が起きているのか

結論から言うと、2026年8月は書類作成から家族対応まで、介護記録AIに関する発表が相次いだ月でした。中でも押さえておきたいのが次の2つの動きです。

2026年8月1日、株式会社ビズウインドは介護現場向けのAIサービス「CarePlanAI Clerk」と「CareTalkAI Clerk」の提供を開始しました。相談票やケアプランなどの書類・会話の音声から必要な情報を自動抽出し、基本情報やアセスメント、通所介護計画書といった帳票をExcelやPDFへ自動作成します。CareTalkAI Clerkは、職員の短いメモから家族向け連絡文を作成し、返信を欠席連絡や服薬変更などに自動分類する機能も備えています(出典:ビズウインド プレスリリース)。

同じ8月1日には、特定非営利活動法人日本介護経営学会のAI分科会が「第2回実践報告会」を開催しました。茨城県つくば市の居宅介護支援事業所「おはなリハ ケアマネステーション」代表が登壇し、音声記録AI「ミルモレコーダー」とパソコン作業自動化「ミルモオートメーション」を段階導入した結果、支援経過や議事録の作成時間が職員1人あたり月20時間から月5時間へ、約75%削減されたと報告しています。同時に年間離職率が30%から0%に、採用応募者数も年4〜5名から15名以上に増加したそうです(出典:AtPress)。

現場太郎

え、記録が45分から5分って、本当にそんな短くなるんですか?

よしなか

ええ質問やね。事業所によって差はあるけど、「毎回ゼロから文章を考える」のが一番時間かかる部分やから、そこをAIに任せるだけでガクッと減るんよ。

現場太郎

書く内容自体は人が考えなくていいってことですか?

よしなか

せや。音声やメモで事実だけ残しといたら、AIが文章に整えてくれる。最後に人が確認する、その役割分担が肝やね。

記録業務はどこまで自動化できる?

結論から言うと、「事実をメモする→AIが文章化する→人が確認する」という3ステップに置き換えることで、記録時間は大きく圧縮できます。ポイントは、AIに文章をゼロから書かせるのではなく、下書きと整形だけを任せることです。

業務

従来

AI活用後

日々の記録(手書き→入力)

30分〜1時間

10〜15分

ケアプラン作成

1件3〜4時間

1件1時間(約70%短縮)

支援経過・議事録(月換算)

月20時間

月5時間(約75%削減)

(出典:ユナイテックスAtPress)

私自身、日々の実務で音声入力とAIの要約機能を使っています。打ち合わせの音声やメモをAIに渡して下書きを作らせ、自分は事実確認と表現の調整だけに集中する、というやり方です。ブログ記事の下書きも、これでだいたい10分程度で形になります。介護記録も構造は同じで、「話す・メモする」→「AIが整える」→「人が確認する」の流れに乗せられれば、書類作成は驚くほど軽くなるはずです。

音声AI記録サービスの広がりも見逃せません。全国展開を進める「ながらかいご」は、ケアをしながらの自然な会話をAIがそのまま記録・整理し、SOAP形式の書類を自動生成するサービスで、スタートアップフェス2026で最優秀賞を受賞し6,200万円の資金調達を完了したと発表されています(出典:PR TIMES)。また介護ソフト大手のワイズマンも、2026年3月に音声入力×生成AIによる記録自動生成機能を標準機能として正式リリースしており、既存ユーザーは追加導入なしで使い始められます(出典:ワイズマン)。

導入で失敗しないために気をつけたいこと

結論から言うと、介護記録には利用者の心身状態や病歴といった要配慮個人情報が含まれるため、「便利だから使う」ではなく、何に使ってよいか・何を入力してはいけないかを明文化したルールが欠かせません。

一般社団法人日本AIコンサルタント協会(JAIC)が整理した介護事業所向け生成AI利用ガイドラインの雛形では、氏名・住所・生年月日・病歴・服薬状況などを原則入力禁止とし、AIの出力は「正解」ではなく「下書き」として扱い、最終判断は必ず専門職が行うことを明記するよう勧めています(出典:JAIC)。この考え方は介護記録に限らず、AIを社内に導入するすべての場面に共通します。

現場太郎

うちみたいな小さい事業所でも導入できるんですか?お金かかりそうで不安です…

よしなか

わかるわその不安。でも今は「介護テクノロジー導入支援事業」で最大3/4も補助が出る自治体もあるんよ。

現場太郎

え、そんなに補助があるんですね。でも何から手をつければ…

よしなか

いきなり全部やらんでええ。まずは一番時間食ってる記録業務ひとつだけ、音声入力から試してみたらええねん。それだけでも十分体感できるで。

令和8年度「介護テクノロジー導入支援事業」では、音声記録AIなどのICT機器導入費用が都道府県によって最大3/4(75%)補助される公募が動いています。申請期限を逃すと次年度まで待つことになるため、早めの確認をおすすめします(出典:福ひろば)。

導入は一気に進める必要はありません。まずは記録の中で最も時間がかかっている業務をひとつ選び、音声入力や生成AIで下書きさせる小さな実験から始めるのが定着への近道です。書類作成の自動化は介護に限った話ではなく、つむぎやのブログでも業種ごとの事例を紹介しています。社内のAI活用ルールづくりを体系的に学びたい場合は、つむぎやの研修もご活用いただけます。

まとめ

記録や書類作成の負担が減った先にあるのは、単なる時短ではありません。利用者と向き合う時間、あなたにしかできないケアの時間が戻ってくるということです。面倒な書類作成はAIに任せて、人にしかできない「好きなこと・得意なこと」に時間を使う——これは介護に限らず、つむぎやが一貫してお伝えしている考え方です。あなたの事業所で今、一番時間を奪っている記録業務は何でしょうか。まずはそこから、AIに任せられる部分を探してみてください。

介護記録・書類作成の自動化を社内で具体的に進めたい方は、つむぎや株式会社にご相談ください。

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